会員企業等における公正な採用選考の実現に向けて
近年、情報化の進展に伴いインターネット上に差別的な書き込みが行われるなどの状況変化が生じていることを踏まえ、平成28年12月に成立した「部落差別の解消の推進に関する法律」の着実な施行により、国として部落差別を解消するための教育・啓発等の取組を進めているところです。
公正な採用選考システムの確立に向けては、企業に対する周知・啓発に取り組んでいますが、その一方、採用担当者のみならず企業のトップクラスにおいても、面接等で「本籍・出生地」や「家族」に関することを聞くなど、就職差別につながるおそれのある不適切な事象も依然として発生している現状にあります。さらには、性的指向や性自認を理由に、あるいは外国人であることを理由に、採用選考において、不適切な対応がなされた例も報告されているところであり、こうした人権課題への対応も求められています。
近年、我が国を含め世界が大きな変化に直面する中で、いかに新しい時代に対して柔軟な対応ができるかが大きな課題となっています。つまり、社会の変化を取り入れ、多様化した価値観を尊重することができるかが求められているということです。
この変化は企業に対しても例外ではなく、企業が多様性を受け入れ、多様な人材を活躍させることができるかが注目される時代になっています。そのような中、仮に、採用選考の場面で応募者の人権を軽視するような言動が明らかになれば、人材確保に支障を来すばかりか、社会的な批判からステークホルダーの信頼を損ない、企業価値を低下させることにもつながりかねません。
会員事業所の皆様におかれましては、こうした公正採用選考の趣旨を改めてご理解いただき、「公正採用選考人権啓発推進員」の適切な配置、推進員や企業のトップクラスに対して労働局、ハローワークが行う研修会への積極的な参加にご協力をお願い申し上げます。 事業主・採用選考担当者・求職者のみなさまへ 自社の採用選考における質問事項をチェックしてみましょう!