会員長時間の恒常的な荷待ちの改善及び標準的な運賃の設定に向けた取組について
自動車運転の業務については、長時間労働の背景に取引慣行など、個々の事業主の努力では解決できない課題があることから、現在、時間外労働の上限規制の適用が猶予されていますが、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号)による労働基準法(昭和22年法律第49号)の改正に伴い、令和6年4月1日から、時間外労働の上限を原則として月45時間、年360時間とし、臨時的な特別の事情がある場合でも年960時間とする規制が適用されます。
併せて、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第7号。以下「改善基準告示」という。)についても、過労死等の防止の観点から見直しを行い、令和6年4月1日から改正された改善基準告示が適用されます。
上限規制及び改正された改善基準告示の円滑な適用のためには、荷主等と自動車運転の業務を行う事業者とが協力して、取引環境そのものを変えていく必要があることから、関係省庁で連携し、自動車運転の業務を行う事業者、荷主等の関係者に対し、あらゆる機会を捉えて、これらの改正事項並びに取引環境及び長時間労働の改善について周知を行うとともに、トラック運転者の労働環境の改善を強力に進めるため、荷主等に対して、恒常的な荷待ちを発生させないこと等について労働基準監督署による要請等をそれぞれ実施しているところです。
また、トラック運転者の労働環境は長時間労働に加え、低賃金の状況にもあり、近年は運転者不足が大きな課題となっております。このような背景を踏まえ、貨物自動車運送事業法の改正により「標準的な運賃の告示制度」が導入され、令和2年4月24日、国土交通省は事業者が法令を遵守して持続的に事業を行う際の参考となる運賃として「標準的な運賃」を定めております。
これらの道路貨物運送業を取り巻く長時間労働の是正、トラック運転者の確保等、社会インフラである道路貨物輸送の維持を行うためには、社会全体の気運の醸成をより一層図ることが重要です。
このような背景から、今般、滋賀労働局と近畿運輸局滋賀運輸支局は、県内の経済団体に対し、広く周知・広報を図られています。
つきましては、会員事業所におかれましても、トラック運転者の長時間・過重労働防止、適正な運賃の収受の観点から、下記事項に関して、ご承知おきいただきますよう、お願いします。
記
1.長時間の恒常的な荷待ちの改善
発着荷主等の都合による長時間の恒常的な荷待ちは、トラック運転者の長時間労働の要因となることから、これを発生させないよう努めていただきたいこと。
2.改善基準告示の周知及び遵守への協力
(1)運送業務の発注担当者に、改善基準告示を周知し、トラック運転者が改善基準告示を遵守できるような着時刻や荷待ち時間等を設定していただきたいこと。
(2)改善基準告示を遵守できず安全な走行が確保できないおそれのある発注を貨物自動車運送事業者に対して行わないでいただきたいこと。
3.適正な運賃の収受
「標準的な運賃」を基準とした運賃設定にご配慮いただきたいこと。 チラシ1 チラシ2